太陽光発電の2019年問題とは?11年目の売電価格一覧

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  • 更新日: 公開日:2019年10月18日

太陽光発電の2019年問題とは?11年目の売電価格一覧

2019年に入り、太陽光発電を設置している家庭で順次売電が終了していくとともに、「売電できなくなるのではないか」と大きな波紋を呼んだ2019年問題。これから太陽光発電の導入を検討していた方も、この影響で「今から設置しても売電できなくなるから損」と誤解してしまうケースも発生しました。

「2019年問題」や売電について正しく知ることで、11年目後も損せずに太陽光発電を利用し続けることができるでしょう。この記事では、2019年問題や11年目の売電について解説します。

太陽光発電の2019年問題とは?

2019年問題の問題点や対象者について具体的に紹介します。

2019年問題とは

2019年問題のポイントとなるのが、「固定価格買取制度(FIT制度)」です。

FIT制度とは、家庭用なら10年、産業用なら20年に渡り、決まった価格で電力会社が買い取ることを保証する制度になります。しかし、2019年が近づくにつれ2009年に太陽光発電を設置した方のFIT制度が順次満了していくこと(卒FIT)に伴い、売電も保証されなくなってしまいました。

そのため、電力会社に買い取りを拒否されてしまったら売電できなくなるリスクが発生してしまったのです。また「固定価格」の保証がなくなるため、48円/kWhと非常に高価格だった売電価格が、大幅に下がることも問題視されています。

2019年問題の対象者

また、2019年に卒FITするのは2009年に導入した家庭だけで、その後導入した家庭はそれぞれの開始日から10年は固定価格が保証されます。2015年4月に契約した方は2025年4月まで、2019年8月に契約した方は2029年8月までということです。

2019年問題によくある誤解

「2019年問題」は、2019年移行に卒FITする家庭が順次でてくる問題のことです。「今後は売電ができなくなるの?」といった疑問を持たれる方もいるので、解説していきます。

今後一切売電ができなくなる?

2019年を迎えたからといって、今後の売電ができなくなるわけではありません。固定買取期間満了後も、各電力会社は買取を行ってくれますし、最近では新電力会社が卒FITを対象とした、買取サービスを開始しています。

卒FIT後は電力を無償で提供することになる?

卒FITを迎えた家庭の余剰電力は、無料で電力会社に提供することになるのかと心配される方も多いですが、これも誤解です。卒FIT後は、電力会社の買い取り義務はなくなりますが、それぞれの電力会社が決めた価格での買い取りは続けられる予定となっています。

ただし、「卒FIT後も売電契約を継続する」と最初から契約していない場合、契約をし直さないと無償提供になる可能性があります。卒FITのお知らせが来たら、新たな契約に切り替える、他の電力会社に乗り換えるなど、一度契約を見直しましょう。

今から太陽光発電を設置した人も売電できなくなる?

今から太陽光発電を設置した人は、その契約から10年間はFIT制度の対象となります。2019年の買い取り価格は24円(出力制御対応機器設置義務ありの場合は26円)です。2019年に太陽光発電を設置すれば、10年間は24円/kWhで電力を買い取ってもらえます。

そのため、今から設置しても損をするわけではありません。

11年目以降の買取価格一覧

FITの期間中はどの電力会社でも決められた価格以上の買取価格でしたが、卒FITすると電力会社がそれぞれに定めた金額での買い取りとなります。2019年現在、各電力会社が発表している卒FIT後の買取価格を下表にまとめました。

電力会社名 買取価格(1kWhあたり)
北海道電力 8円
東北電力 9円
東京電力 8.5円
中部電力 7~12円
北陸電力 8円
関西電力 8円
四国電力 7~8円
中国電力 7.15円
九州電力 7円
沖縄電力 7.5円

現在発表されている情報によると、大手電力会社10社では、卒FIT後の買取価格は7~8円が相場となっています。電力会社によっては、発電した電力をいったん電力会社が預かって自家消費できるシステムや、送電した分を月々の電気料金から割引くサービスなどを設けているところもあります。

また、売電する電力会社は自由に選ぶことができます。例えばスマートテックの11.5円、出光昭和シェル8.5円、積水ハウス11円など、大手より高い価格で買い取ってもらえる電力会社もあります。お住まいのエリアで利用できる電力会社やそのプランを調べて比較しましょう。

卒FIT後は売電しないことも1つの選択

卒FIT後は今までより大幅に売電価格が低下します。そのため、売電を続けるのではなく、完全自家消費を目指すのも11年目の選択肢の一つです。売電しないことのメリットやその方法についてご紹介します。

売電しないメリット

卒FIT後の売電価格の相場は、1kWhあたり「8~10円」程度です。これに対し、電力会社から電力を購入するときの価格は、電力会社やプランによっても異なりますが、1kWhあたり「19~31円」程度が相場となっています。さらに、「再エネ賦課金」として、2019年度は1kWhあたり2.95円がプラスされています。

発電した電力を売電するなら8~10円/kWhの収入となり、自家消費するなら19~31円/kWh(+2.95円)の節約となります。つまり、卒FIT後は発電した電力を売電するよりも、自宅で使って電気代を安くした方が、総合的にお得になるということです。

今後、燃料費高騰などを背景に、電気代はますます高くなっていくと言われています。そうなると、売電せずに自家消費するメリットは、更に大きくなっていくでしょう。これから卒FITを迎える家庭も、これから太陽光発電を導入する家庭も、今から「自家消費」について検討しておく必要があるといえます。

太陽光発電で発電した電力を最大限に自家消費するには、「蓄電池」が必要になります。蓄電池とは、電力を蓄えておける設備です。スマホやパソコンなどに入っているバッテリーと同じ仕組みで、繰り返し使えます。蓄電池がないと自家消費は昼間しか行なえませんが、蓄電池があれば夜間や雨の日など発電できない時間にも貯めておいた電力を自家消費できます。

蓄電池を設置するためには容量1kWhあたり20万円前後の費用がかかります。しかし、2019年問題が話題になっている現在、国も蓄電池の導入を推進しており、補助金もでていますので、購入するのであれば今がチャンスかもしれません。

補助金は予算がなくなり次第終了するため、導入するなら早めに検討した方が良いでしょう。

自家消費に必要な蓄電池の選び方

蓄電池は、必要な容量(kWh)で選びます。蓄電池は普段使うだけでなく、地震などの災害時に停電が起こったときの予備電源としても使うことができます。そのため、蓄電池を選ぶ際には「停電時でも最低限の電力が1~3日使える容量」というのを基準に選ぶことが多いです。

一般的な4人家族でよく導入されているのは、容量5~12kWhほどの蓄電池です。例えば、照明(100W)+冷蔵庫(200W)+スマホの充電(15W)+テレビ(100W)を10時間使うのに必要な容量は、415kWh×10時間=4.15kWhです。つまり、5kWhの容量があれば1晩停電したくらい、12kWhの蓄電池があれば2~3日の停電に備えることができるということです。家庭によって使用する電気量は異なるので、一度計算してみると良いでしょう。

まとめ

「2019年問題」とは、今後売電できなくなるわけでも、全員の買取価格が下がってしまうわけでもありません。固定価格買取期間は10年のため、制度が開始した2009年から10年後の2019年に、買取価格の保証が終了する家庭がでてくるということです。

卒FITを迎えた家庭も、今までより安い価格ではありますが電力会社に売電を続けることができます。家庭用蓄電池を導入して電気料金を節約した方がお得なので、補助金が支給されているうちに蓄電池の導入をシミュレーションしてみましょう。

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