太陽光発電の出力抑制とは|家庭の売電に影響はある?

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  • 更新日: 公開日:2019年11月28日

太陽光発電の出力抑制とは|家庭の売電に影響はある?

出力抑制とは、需要に対し供給電力が多くなってしまった場合に、過剰供給にならないように一時的に電力会社が買い取りを制限する制度です。
そのため、普段は10売電できていた電気が8しか売電できなくなるという制度です(数値はイメージになります)。

ただし、一般家庭の太陽光発電が出力抑制されることは滅多に起きず、仮に起きたとしても一時的なものなので家計に大きなダメージを与えることはありません。
出力抑制の対象地域では、売電価格が変わったりしますので、不安にならないためにも出力抑制の仕組みとルールを正しく把握しておくことは重要です。

この記事では、出力抑制の具体的な制度内容や対象地域などを詳しく解説します。

太陽光発電の出力抑制とは|実行までの流れ

太陽光発電の出力抑制とは、冒頭でもお伝えした通り需要に対して供給が多くなった場合に、電気の出力の抑制を要請する制度です。
つまり、一時的に売電できなくなる制度になります。

なぜ出力抑制が必要なのか?

電気は大量に貯めておくことができないため、常に需要と供給のバランスを取っておかなければなりません。
発電量(供給)が少ないと、利用者(需要)が電気を使えず、電力不足問題が発生します。
ただし、逆に発電量が多すぎると周波数が上昇してしまい、電気設備に支障をきたすおそれがあります。最悪、停電という事態も起こり得ます。

そこで電力会社は、需要が極端に減ったことで発電量が多くなりすぎたときに、特定の発電事業者に出力抑制を行います。

出力抑制されるまでの流れ

出力抑制は、突然行われるわけではありません。基本的に、以下のような流れで行われます。

前日に受信した気象データを各電力会社が判断し、翌日の電力需要や各発電の出力を想定します。
出力抑制の実行を判断し、決定されれば、電話やメール等で各発電所や家庭に連絡。当日の朝に計画の見直しがされ、必要と判断されれば実行されます。

出力抑制による売電への影響

出力に抑制がかかってしまうと売電収入にどのくらい影響が出てくるのか不安ですよね。
ここでは、一般家庭の売電への影響を紹介します。

一般家庭ならほとんど影響がない

10kW未満の太陽光発電では、出力抑制の影響がほとんどないといえるでしょう。
出力抑制は、抑制していく順番があり、太陽光発電は5番目に抑制がかかることになっています。

また、10kW未満の家庭用太陽光発電は「5:太陽光や風力などの抑制」のなかでも、優先順位が下に置かれています。
先に10kW以上の産業用や風力発電が抑制されるため、家庭用の太陽光発電まで出力抑制の制限がかかることは稀です。

出力抑制の対象地域なら売電価格が26円に!

出力抑制の有無が大きく影響するのは、売電価格です。対象地域に該当する場合、出力抑制がなくても売電価格は26円となり、2円高く売電できます。
売電が抑制されるリスクがある分、お得に売電できるため、長期的にみて出力抑制により経済的な損を受けるデメリットはないといえるでしょう。

各地域の出力抑制の上限に関するルール

太陽光発電では、出力抑制の上限に関するルールが改正され、これから太陽光発電を設置する場合、「新ルール」もしくは「指定ルール」が適用されます。

2つのルール
新ルール 無償での出力抑制の上限を年間360時間までとする
指定ルール 無償での出力抑制を無制限とする

地域と太陽光発電の容量によって適用されるルールが異なりますので、ご自身の地域がどのルールなのかご確認ください。

対象地域(管轄地域)
東京電力|関西電力|北海道電力|東北電力|北陸電力
中部電力|中国電力|四国電力|九州電力|沖縄電力

10~50未満は出力抑制の対象外地域

【対象地域】東京電力・関西電力・中部電力の管轄地域にお住まいの方

10kW未満 10~50kW未満 50~500kW未満 500kW以上
対象外 新ルール

2019年に設置すると新ルールが適用される地域

【対象地域】北陸電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の管轄地域にお住いの方

10kW未満 10~50kW未満 50~500kW未満 500kW以上
新ルールが適用され、接続可能量超過後は指定ルール

接続可能量とは、各地域により定められており、地域の発電量の合計がこの数値を超過した場合、指定ルールに切り替わるということです。

各地域の接続可能量

各電力会社 接続可能量(万kW)
北陸電力 70
中国電力 558
四国電力 219
沖縄電力 35.6

2019年に設置するとすべて指定ルールが適用される地域

【対象地域】北海道電力・東北電力・九州電力の管轄地域にお住いの方

10kW未満 10~50kW未満 50~500kW未満 500kW以上
指定ルールが適用される

各地域の接続可能量

各電力会社 接続可能量(万kW)
北海道電力 117
東北電力 552
九州電力 817

出力抑制は回避できない?

家庭の発電にほとんど影響がないとはいえ、回避できるのであればしたいものです。特に産業用のオーナーや太陽光発電への投資を行っている方はなおのことかと思います。
ここでは、回避できないのかについてご紹介します。

出力制御対応機器の設置が義務に!

2015年1月26日に行われた、再エネ特措法の改正により、遠隔で出力抑制ができる出力制御対応機器の設置が義務化されました。
出力抑制に対応する手間が省ける代わりに、回避することが不可能になったのです。

出力抑制の影響が大きい場合は保険に加入する

産業用(10kW以上)の太陽光発電を設置している方は、出力抑制により大きな影響を受けてしまうリスクもゼロではありません。
そのような場合にも損をしないためにも、メーカー保証とは別に一般の保険会が販売している出力抑制時の売電ロスを保証してくれる、損害保険に加入することも検討しておくとよいでしょう。

「太陽光発電 保険」で検索すると大手保険会社でも様々な商品を掲示していますので、比較し加入するか判断しましょう。

まとめ

一般家庭であれば出力抑制の影響を受けませんのでご安心ください。

10kW以上を設置する方は、出力抑制による売電ロスのリスクを考慮して、損害保険も検討することをおすすめします。
また、一般家庭の方で出力抑制が気になる方は、売電できない場合の電気を貯められるように、蓄電池の導入を検討しましょう。

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