太陽光発電の年間発電量|季節推移と影響する4つの要因

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  • 更新日: 公開日:2019年10月28日

太陽光発電の年間発電量|季節推移と影響する4つの要因

太陽光発電の年間発電量は、設置する屋根の角度や周辺の環境、パワーコンディショナの性能など様々なものが影響し増減します。そのため、家によっては太陽光発電の設置があまりおすすめできないかもしれません。

設置後に、より多く発電してもらうには、一般的にどのくらい発電できるのか、発電量を左右する要因は何か把握した上で、家に最適な設備を整える必要があります。この記事については、主にその2点を紹介します。

家庭用の太陽光発電の年間発電量はどのくらい?

まず発電量を示す、「kW」「kWh」という単位について解説します。

  • ・kW(キロワット):電力。発電する力の大きさを表す。
  • ・kWh(キロワットアワー):電力量。発電システムの場合、発電量を表す。

1kWの電力を1時間使ったときの電力量が1kWhです。発電システムの場合、4kWの発電を6時間続けたときの発電量は4kW×6h=24kWhということになります。では、家庭用太陽光発電の年間平均発電量と季節ごとの推移を見ていきましょう。

年間の平均発電量は?

日本では、1kWの太陽光パネルの年間発電量を約1,000kWhと定義しています。そして、一般的な家庭用の太陽光発電システムとして導入されているのは、だいたい4kW前後が主流です。つまり、家の屋根に4kWの発電システムを設置すると、年間で約4,000kWhの発電量が期待できるということです。

2019年度の太陽光発電協会表示ガイドラインによると、一般家庭の平均年間電力消費量は4,789kWh/年とされています。4kWの発電システムで4,000kWh/年の発電した場合、単純に計算すると家庭で消費する電力量のうちの約7~8割が太陽光発電でまかなえるということです(すべて自家消費した場合になります)。

ただし、「1kWあたりの年間発電量約1,000kWh」というのは、太陽光パネルを真南向き・水平30度に設置した場合の計算例です。設置方法やその地域の日射量などの条件によって、年間発電量は違ってきます。

季節による発電量の推移

太陽光発電の発電量が最も多い季節は、4~5月頃の春だと言われています。下表は東京都府中市に真南向き水平30℃で約4.5kWの太陽光システムを設置したときの発電量と日射量の月ごとのシミュレーションです。(参考:京セラ住宅用ソーラー発電シミュレーションより)5月頃が発電量のピークで、6月や9~11月頃の発電量は少なくなっています。

発電量が多いのは7~8月の夏だと思っていた方も多いのではないでしょうか。なぜ春がピークかというと、発電量の増減には、天候や日射時間以外に、太陽光パネルの温度も関係してくるからです。

まず、天候による発電量の違いですが、曇りの日は晴れた日の半分程度、雨の日は晴れた日の四分の一程度の発電量が期待できると言われています。快晴の日が多い地域の方が、太陽光発電には向いています。

そして次に考えたいのが、日照時間の長さです。太陽光パネルに太陽光があたる時間が長いほど、1日の発電量は増えます。一般的に、日射時間は3月頃から伸び、7~8月頃にピークを迎えます。6月頃は日照時間が比較的長いものの、雨の季節になるため発電量はあまり多くはなりません。日射時間で考えると7~8月頃が発電量のピークとなりそうですが、ここで影響してくるのが太陽光パネルの温度です。

太陽光発電システムは、パネル表面の温度が約25℃のときに発電効率が最も高くなり、温度が上がりすぎると発電効率がどんどん下がっていきます。ちなみにメーカーが表示している性能データも、基本的に25℃のときの計算です。夏場は日射時間こそ長いものの、太陽光パネルの温度が上がって発電量にロスが生じてしまいます。

太陽光発電の発電量を影響する4つの要素

太陽光発電システムの発電量には、「ソーラーパネルの性能と枚数・屋根の角度と方位・周辺環境・設置年数」という4つの条件が影響します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1:ソーラーパネルの性能と枚数(面積)

ソーラーパネルを設置する枚数を増やせば、発電量も増えます。設置枚数を2倍にすると、発電量は2倍です。ソーラーパネルを設置する屋根が広ければ広いほど、好条件となります。

設置するソーラーパネルの性能は、「変換効率」という数値で比べることができます。変換効率とは「太陽光エネルギーをどのくらい効率良く電気エネルギーに変換できるか」という指標です。モジュール変換効率・セル変換効率という2種類の指標が用いられますが、ほとんどの場合は「モジュール変換効率」で比較します。

一般的な住宅用単結晶パネルのモジュール変換効率は、最大でも20%前後となっています。つまり、光エネルギー100に対し、電気エネルギーに変換できるのは20くらいということです。変換効率が高いソーラーパネルほど、購入費用は高額になります。

パワーコンディショナの変換効率も重要!

太陽光発電システムでつくった電気は「直流」なので、そのままでは家庭内では使えません。そこでパワーコンディショナを用いて家庭内で使える「交流」の電気へ変換します。この変換の際にも数%の電力を損失するため、この損失の割合も重要です。パワーコンディショナの機器によって損失の割合は異なり、変換効率90~95%ほどが一般的です。なかには変換効率98%ほどという、高効率の機器もあります。

2:屋根の方位と角度

太陽光発電は、ソーラーパネルにより多くの光エネルギーを当てると発電量を増やすことができます。日陰にならず、より日射時間が増やせるよう、ソーラーパネルの設置方位や角度に工夫が必要です。

日本における理想的な設置方位は真南向き、傾斜角度は水平から30°と言われています。下の表は、真南向き・傾斜角度30°でソーラーパネルを設置したときの発電量を100%とした、方位角度と傾斜角度による発電量です。

真南を100%とすると、方位を45°変えると95.2%、90°変えると83.7%まで発電量は落ちてしまいます。傾斜角度30°の発電量を100%とすると、完全に水平に設置した場合は89.3%の発電量しか得られません。ただし、最適な角度は地域によっても少しずつ違うため、信頼できる施工店を選ぶことが重要です。

3:地域や気温の周辺環境

発電量には、その地域の日射量や気温、降雨量などの環境が影響します。南に行けば行くほど太陽光発電に適していると思いがちですが、一概にそうとも言えません。太陽光発電システムはパネルの温度が上がると損失ロスが大きくなるため、夏場の気温が上がりにくいことも重要です。

4:ソーラーパネルを設置してからの年数

ソーラーパネルの法定耐用年数は17年、実際の耐用年数は20~30年程度と言われています。太陽光発電システムは、経年によって劣化していくものです。年間0.25~5%程度の発電量の低下が起きると考えられています。メンテナンスによってある程度は発電量低下を防ぐことはできますが、設置年数も発電量に影響してくると考えた方が良いでしょう。

太陽光発電を設置して損しないためには?

太陽光発電システムを設置するときには、自家消費や売電で 初期費用を回収できるか確認することが大切です。設置環境や設置するパネルによって発電量は変わってくるため、詳細にシミュレーションして検討しましょう。

自分で発電量の目安を計算しておく

太陽光発電システムの導入を検討する際には、実際にどのくらいの発電量が期待できそうかを試算しておく必要があります。

計算方法は「発電量=システム容量(kW)×日射量×損失係数」です。システム容量はメーカーが表示しているもので、設置する発電システムによって異なります。この数値はあくまでも参考値なので、地域と季節ごとの損失係数を掛けます。

自分の地域の年間の日射目安を確認する

地域ごとの日射量は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)で詳細なデータが公開されています。(参照:NEDO 日射量データベース閲覧システム)エリアや設置する屋根の向きや角度を入力すると、日射量の目安を知ることができます。

良い施工販売会社と相談しよう!

太陽光発電システムは、設置する機器やパネル、設置方法などによって発電量が大きく変わるため、施行販売会社選びが重要です。まずは、施行販売会社に工事費用や発電量などについて、見積もりをお願いしましょう。屋根の状態などについても調査し、より詳細なシミュレーションをしてもらうことができます。

まとめ

一般家庭で導入されることの多い4.5kWの太陽光発電システムでの年間発電量の目安は4,500kWhです。一般家庭の平均年間電力消費量は4,825kWh/年と言われているので、自宅で使う電力の9割以上がまかなえることになります。ただし、日射時間や気温、設置する角度や方位など、さまざまな要素が発電量に影響します。太陽光発電システムの導入を考える際には、詳細なシミュレーションをおこない、信頼できる施行販売会社を選ぶことが大切です。

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