太陽光発電の寿命(耐用年数)はどのくらい?長く使用し続ける3つのポイント

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  • 更新日: 公開日:2019年10月30日

太陽光発電の寿命(耐用年数)はどのくらい?長く使用し続ける3つのポイント

太陽光発電のパネルの寿命(耐用年数)は、20~30年といわれています。最も古い住宅用太陽光発電システムとされているのは、1992年7月31日に当時の三洋電機社長宅に設置されたシステムで、2012年時点で20年経過を記録し、PVもPCSも故障なく稼働しているようです。

産業用は30年以上の実績をもつものもあります。

この記事では、各システムの寿命や経年劣化により起こりうるトラブル、長く使用するためのポイントをご紹介します。

太陽光発電システムの寿命

太陽光発電は、パネルやパワーコンディショナー、その他周辺機器などと成り立っています。しかし、それぞれ寿命に多少の差が出てしまうため、注意が必要です。

太陽光パネルの寿命目安

一般的な寿命は20年とも30年ともいわれていますが、実際には歴史が浅いためにサンプリングデータが少なく、理論値を元にした目安でしかありません。

中には30年以上発電し続けているパネルもありますので、長期稼働のポテンシャルは充分に持っているとは言えます

技術的に現在の製品と比較できるのは、2009年の余剰電力買取開始以降という目線で比較すると、まだ10年しか経っていないというのが現実なのです。

税法上の法定耐用年数(寿命)は17年とされていますが、実用的には固定買取期間が最長20年のため、20年以上は発電し続けられることが前提になるでしょう。

また、パネルの素材やメーカー、製造国によって、20年で15%もの出力差が生じるという研究結果があるため、購入する際は耐久性についても注目する必要があります。

パワーコンディショナの寿命の目安

太陽光パネルは半導体と配線でできており、単純な構造ですが、パワーコンディショナは精密機械ですので、10年から15年とパネルの半分ほどの寿命しかありません。

これはいわゆる白物家電と同じで、どちらかというと消耗品に近いイメージです。メーカーの製品保証は10年というが一般的ですが、20年まで補償しているメーカーもあります。

不具合を放置すると変換効率の低下を招き、出力が低下し、結果的に売電収入が減ってしまう可能性があるでしょう。

その他周辺機器の寿命の目安

接続箱や分電盤、配線やケーブル関係は20年~30年の寿命を持っています。

電力量計(売電メーター)

電力量計(売電メーター)は計量法で10年以内のメーター交換を義務化していますので、その期間内に故障することはほとんどありません。

配電盤より上流にある売電メーターは電力会社の範疇ですので、故障の場合は電力会社が交換してくれます。

屋外配線

屋外配線につきましては、より対応年数の長い屋外用の材料を使用し、紫外線や小動物の噛害からケーブルの損傷を防ぐためにカバーで保護するのが望ましいので、工事に際しては施工業者に確認することをおすすめします。

寿命が近くなったときに起こり得るトラブル

パネルが劣化による年間発電量が低下する

太陽光パネルは屋外に設置し、常に太陽からの紫外線や雨風にさらされていますので、当然のように経年劣化が起きます。また、パネルの素材によって、低下率は変わってきます。

10年(20年)のおおよその経年劣化率は、多結晶シリコン6(12)%、単結晶シリコン8(16)%、アモルファス2(4)%、ヘテロ結合(HIT)4(9)%、CIS 3(9)%といわれています。

やはり、経年劣化率の低い素材の方が導入コストとしては高いのですが、20年後には素材間で15%近く経年劣化の差が生じるので、20年以上稼働させることをお考えでしたら、初期投資は少し高くなりますが、最初から劣化率の小さい素材を選ぶ方がいいかもしれません。

「出力保障」で交換・修理してもらえる?

「公称最大出力の90%」を基準にした低下率が対象ということで、「出力保証90%」なら「公称最大出力の81%」を下回った場合に保証対象になります。

「公称最大出力の90%」とは「最大出力の下限」ということになるため、上の説明は「公称最大出力の下限に対して90%の出力を下回ったら保証の対象として認めます」という意味です。

ですから、仮に公称最大出力が200Wのパネルでしたら、「公称最大出力の下限」は180Wとなり、さらにその90%である162Wまで出力が落ち込んだら保証対象になるでしょう。

しかし、劣化率を多めの毎年0.7%低下としても、10年で7%、20年で14%となり、最大出力は86%を維持していることになるので20年経っても出力保証の対象にはならないのです。つまり通常の出力低下以上の割合で低下した場合に出力保証の対象になるということになります。

パネル内の経年劣化で発電効率が低下する

パネルは経年劣化でどのような影響が出るのでしょうか。導線接続の劣化などで接触不良を起こしたりしますが、より深刻なのは設計上の問題や製造工程の問題から生じる劣化によるトラブルです。

例えば湿気の侵入によるパネル内部品の剥離が起きたり、はんだ付けの不良による不具合、セルにひび割れが生じる、などが挙げられます。

これら経年劣化の課程で徐々に発電効率が落ちていき、最終的には完全に発電しなくなるという結果に至ります。

そして、最大の問題は、このようなトラブルに気づきにくい点です。そのため、知らない間に発電効率が落ちており、発電ロス状態が続いていることになりかねません。

全体の劣化が火災や事故の原因になる

ケーブル被覆の経年劣化による熔解や亀裂、小動物による囓害による断線などが原因でショートがおきることがあります。

屋根上の配線で、ショートによる発火が枯れ葉などに着火して、屋根とパネルを損傷するということもあり得るでしょう。最悪は建物に延焼したという事例もあるため十分な注意が必要です。

このような火災の原因は、ほとんどが施工不良や経年劣化によるショート発火だといわれています。

とくにネズミなど小動物の噛害の対策として、配線カバーを施しておけば、経年劣化対策にもなりますので屋外配線はぜひ配線カバーでしっかり保護するように施工業者に申し出てください。

太陽光発電を長く使い続けるためのポイント

パネルは劣化しにくい素材製のものを選び、配線などは安価な電材使用を避け、20年以上劣化に耐えられる、しっかりとした材料を選びましょう。

必ず業者に定期メンテナンスしてもらう

長く太陽光発電システムを使おうとするなら、メーカーやパネルの素材、質のいい材料を選ぶのは当然ですが、やはり大事なのは日頃のお手入れです。

お手入れといっても自分でやれることはほとんどないので、専門業者に依頼します。また、2017年4月施行の改正FIT法は、太陽光発電システムは4年に一度以上の定期メンテナンスをするよう求めています。

今のところ住宅用は法定点検にはなっていませんが、4年に一度の定期メンテナンスはちょうどいいタイミングなので、必ずうけるようにしましょう。

やはりメンテナンスをしっかりしていれば、システム全体の寿命が延び、固定買取が終了しても自家消費用に発電しつづけてくれるでしょう。

アフターフォローしてくれる施工会社を選ぶ

運用開始後に問題を起こすのは製品に起因することばかりではありません。施工不良によるトラブルは想像以上に多いのが現実です。

住宅用太陽光発電工事で、施工責任を問われるような不具合はどのようなものがあるのかというと、「屋根材を破損してそのまま」「水漏れ」「架台の設置ミス」「配線不良」「誤配線」「パネル設置の不具合」などいろいろな箇所で不具合を生じる可能性があります。

こうした不具合が生じたときに、まずはすぐに対処してくれなければ困ります。保証期間以降のトラブルでもすぐに対処してくれる機動力や、責任感のある施工業者を選びましょう。

また、施工が原因の不具合をカバーする保険に加入しているかどうかや、新車購入時のような定期的な無料点検を実施してくれる業者も信頼性が高いです。とにかく20年後も潰れてなくならない会社が理想です。

購入前に保障があるか確認する

購入前や契約前には遠慮せずにいろいろな保証について確認すべきです。

太陽光発電の場合、大きく分けてふたつの保証について確認します。工事保証とメーカー保証のふたつです。これらの保証については、長期間運用するために非常に重要なので必ず確認するようにしてください。

土木工事(野立ての場合)、架台施工、パネル施工、電気工事などの工事保証、パネル・パワコン・電気メーター・モニター類などの製品保証、パネルの出力保証、各保証の対象と内容と期間、災害時の保証内容と免責事項といった保証のほかにも第三者賠償責任保険に加入しているかどうかも確認しておきましょう。

まとめ

車を買えば新車点検や定期点検、法律で義務づけられている車検などの法定点検があります。太陽光発電システムの保守点検についても同じだと考えればいいのです。車検は2年に一度ですが、太陽光の定期点検は4年に1度です。しかも1回の点検料は2万円ほど。 

ただ、技術革新が世界的にものすごいスピードで行われている現在ですから、今から10年後の機器性能がどれほど向上しているかを想像することはすごく難しいといえます。

その時になったら、機器の延命より、エアコンや冷蔵庫を電気代が安くなるからといって買い替えるような感覚で、パワーコンディショナやパネルも気軽に交換する時代になっているかもしれません。

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