太陽光発電で火災事故が発生する5つの原因

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  • 更新日: 公開日:2019年11月27日

太陽光発電で火災事故が発生する5つの原因

住宅用太陽光システムの発火は住宅の火災に至る恐れがあります。
発火の直接的な要因の多くは短絡によるものですが、スパークを起こす短絡がどこで、どうして起こるのかの原因を知ることが重要です。

太陽光発電が一般住宅へ普及し始めて10年ほど経った現在、経年劣化を含めて多様な原因が明らかになってきました。

住宅用太陽光システムで発火した場合や、事前に不具合を発見した場合でも、居住者等による発電の停止は難しいことも大きな課題であり、予防的見地からも知っておくべき情報を整理してみました。

原因1:導入後の経年劣化

主にパネルが発火元の火災はほとんどが設置後10年ほど経過したシステムで発生していることを見ると、経年劣化が原因であることが考えられます。
30年発電するといっているものが、10年で経年劣化を起こしてしまうのは、大きな懸念点です。

ただ、経年劣化を起こしているのは全てが7年以上使用した製品でルことがわかっています。
検証結果を見ると、電極やコネクター間の半田接続の強度にバラツキが多く見られたようですが、それ以降の製品に関しては今のところ同様の不具合は生じていないようです。

原因2:製品自体の不備

発火元がパネルやパワコン、接続箱である場合は、施工不良が原因ではなく製品の不具合によるものが多いようです。
製品の配線接続部や回路の不具合が、経年劣化や製造上の問題で発火を引き起こすケースが多いのです。

これら、製品の不具合による発火は特定のメーカーに限らず、複数のメーカーで発生していますので、やはり製品フィードバックのない初期モデルに特有の結果かも知れません。
それ以降の製品についてのメーカー対応を期待したいところです。

原因3:業者による不適切な設置・作業漏れ

ケーブルが発火元の場合、原因が施工不良であること多いです。
パネルと架台に挟まれたままにしていたり、メーカー指定の施工手順をふんでいなかったりすることで、ケーブルが熱を持ち、やがて被覆が熔解して短絡に至るという単純な原因が多かったりします。

また、コネクターの接続不備や、中には配線を指示通りに接続していなかった事例もあります。
住宅用太陽光発電の一般化が始まった頃、施工に関しても情報や経験値が少なかったことや、施工者自身の技術的未熟さとモラルの低さも大きな要因として考えられます。

原因4:小動物などによる噛害

ケーブルを保護せずに配線しておくことで、小動物が噛むことがあります。
その結果、被覆が破れ、短絡を引き起こし、スパークが落ち葉などに着火して火災に結びついたという事例もあります。

ネズミやモモンガなどの小型哺乳類は何でも囓る習性があるので、そのような小動物が多く生息する地域では配線を保護する手立てを施す必要があります。

原因5:屋根の形や設置形態

パネルやケーブルが発火元の場合、設置の形態によっては屋根材への延焼被害の度合いが違ってきます。

可燃物であるルーフィング(屋根材の下に敷く防水シート)とパネルの間に鋼板などの不燃材料を挟まずに施工する工法だと、何らかの原因で発火した場合、ルーフィングに簡単に燃え移り、その下の屋根全体を覆う木質の野地板に引火しやすくなります。
この場合、延焼による被害が大きくなる傾向があります。

火災の発生しやすさは屋根の設置形態に関係する!

一般住宅の場合、太陽光パネルは屋根に設置します。
そして、様々な原因によって太陽光パネルやケーブル類が発火すると、屋根上に落ちている枯れ葉や枯れ枝などに着火することが容易に想像できます。

ここで、難燃性の高い形態で設置されているか、いないかで、延焼に発展するかしないかの大きな分かれ目になる、ということがわかってきました。

主な設置形態の種類

「鋼板等なし型」の施工形態は、裏面に鋼板がないパネルをルーフィング上に直接設置する形態で、全国で10万棟以上の施工事例があります。
屋根材の上に架台を設置して、その上にパネルを設置する「屋根置き型」は不燃材である屋根材が延焼を防ぐ働きをしてくれます。

屋根材にパネルが組み込まれている一体型の製品やパネルが屋根全面に設置されていて、パネル直下のルーフィング上に鋼板等の不燃材を施設する「鋼板当施設型」や、パネル本体の裏面に鋼板等の不燃材を装備して、ルーフィング上に直接設置する「鋼板等附帯型」という形態もあり、大きく分けて以上の4つの設置形態があります。

火災が発生しやすい設置形態

「鋼板等なし型」以外の形態で設置されている場合では延焼の報告は1件もありません。

4つの設置形態の中で一番延焼リスクが高いと言われている設置形態は「鋼板等なし型」です。
やはり可燃性のルーフィング上に直接発火元を施工すれば、発火、着火、延焼のリスクが高くなるのは当然です。

「鋼板等なし型」のような、延焼リスクの高い設置形態ではなく、不燃材などでしっかりと延焼対策が施された設置形態で施工されていれば、たとえ製品の不具合で発火したとしても、そこから先に延焼することはないかもしれません。
気候や周りの環境などにもよると思いますが、少なくともリスクの軽減にはなるはずです。

太陽光発電から火災を発生させないための対策

製品の品質に由来するリスクは、消費者サイドではコントロールできません。
できるのは、メーカーや販売店などから情報を取り寄せて検討したり相談したりして、最終的に採用するかしないかの判断を下すだけです。

仮に製品から発火したとしても、延焼に持ち込まないように対策を講じておくことが、消費者サイドですべき重要なことです。
設置の形態や施工方法について、自分自身で事前にコントロールできることが理想です。

業者と相談の上「鋼板などなし型」の屋根には設置を避ける

「屋根置き型」のように屋根から浮いていないので、一見すっきりしたように見えるのが特徴ですが、見た目がいいからといって「鋼板などなし型」での施工は絶対に避けるべきです。

消費者安全調査委員会による「事故調査報告書」でも、多くの延焼事例が報告され、この設置形態をとらないよう勧告される内容となっています。
過去の太陽光発電に起因する延焼火災を検証したところ、全ての延焼火災が、この「鋼板などなし型」で設置していました。

たとえ、火災保険に入ったとしても気を抜かずに、未然に防げることは全て手を打っておくことが大事です。

かならず定期的な点検を行ってもらう

経年劣化や動物噛害(こうがい)による破損などはあり得るものとして、定期的に点検を行うようにすべきです。
ただ、住宅用の太陽光システムは屋根の上に載せてありますので、のぼって点検するのは危険を伴います。

また、電気的な専門知識がないと理解できないことも多々あると思いますので、やはり施工業者や点検業者などの専門家に依頼して、定期的に点検をしてもらうことが、大きな被害を生まない為に大事なことです。

信頼できる施工業者への依頼する

最低でも10年、寿命を考えると30年の長期にわたって付き合っていく設備ですから、途中で使えなくなっては意味がありません。
やはり工業製品ですから、完全なメンテナンスフリーということははあり得ない、と心得て日頃のメンテナンスを心がけましょう。

まずはしっかりとした施工をすることから始めて、安全かつ安定的に発電が続けられるよう、定期的に点検をしてくれる、経験豊富な信頼できる施工業者を選ぶことから始まります。
最近では施工はせず、点検だけに特化した点検のスペシャリストもたくさんいますので、点検に限ってはそのような専門業者に依頼することもおすすめします。

まとめ

パネル起因の火災は、すべてが7年以上使用していたもので発生していることを見ると、それ以降の製品に関しては、改善されているとみることもできます。

それでも長期間電気が流れることを考えると、予期せぬ事故や故障が起きることも考えられます。
いや、起きると考えて対応を考えておいた方がいいのです。

そのためにまずできることは、発火はしても着火させない、着火はしても延焼させない、という目線で有効な対処を予め施しておくことではないでしょうか。

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